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September 16, 2013

ピアジオ 新世代 ダイアグノーシスツール PADSのご紹介です。

今日は台風の為、昼過ぎまで試乗車やお預かりしています車両を外へ出せず整備仕事がまったく出来ませんでした。しかし午後からは雨風も一段落し明日は絵に描いたような台風一過の晴天が期待出来る様です。

話は変わりまして・・・2011年の当店ブログに此のような記事がありました。 

あれから2年半程経ち、この度PIAGGIOグループ製バイク&スクーター専用の新型ダイアグノーシスツール(診断機)がリリースされました。

PIAGGIO ADVANCED DIAGNOSTIC SYSTEM" 略してPADS(パッズ)と読みます。

2011年にリリースされ、以前のブログでもご紹介しました”NAVIGATOR"があくまでTEXAといメーカーの汎用診断機をベースとした物であったのに比べ、PADSはPIAGGIO専用として開発された次世代診断機となります。

昨今の高度に電子化されたバイクやスクーターの診断修理には欠かす事の出来ないのがダイアグノーシスツール。新たに導入されたPADSに出来る事、PADSにしか出来ない事、新機能等を簡単ではありますがご紹介させて頂きます。

Dscf6496

先ずはPADSの外観から見て行きましょう。寸法は4センチ×14センチ程と以前のNAVIGATORに比べ格段に小型化されている事が分かります。小型化されたメリットは普段の取り扱いは勿論、後々ご説明するある機能において重要なファクターとなります。

Dscf6492

車両と比べれば如何に小さいモジュールかが分かりますね。ちなみに以前のNAVIGATORが此方です。

Dscf3408

NAVIGATOR・・・大きです、重いです(笑。 これだけ小さくなってしまうと機能的には簡略化されているんじゃないかと勘ぐりたくなりますが反対に機能も増えて使い勝手も良くなっています。

それではPADSの機能の一部をご紹介致します。先ずPC上のPADSソフトを起動させます。

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こちらがスタート画面。PADSで診断できるブランドが一覧となっています。扱えるブランド的にはNAVIGATORと変わり有りませんがNAVIGATORが既にアップデート終了となり最新ECUマッピングアップデートに非対応なのに比べPADSは過去の生産車両から最新現行車両全てのデータ(最新ECUマッピングを含む)が入っています。

Pads2

今回はアプリリアのドルソデューロ750でテスト診断を行ってみましょう。先ず左側フレームに有る車種一覧からドルソデューロを選び排気量を選びます。

Pads3

車種を選定するとPADSに接続するカプラー位置と電源接続画面が出てきます。(車両イラストがSXVなのは突っ込まないでおきましょう) 指示に従い車両のキーONする事でPADSと車両間でデータ通信が開始されます。両者間の通信ですがNAVIGATORと同じくUSB及びブルートゥースの2系統での通信が可能です。

Pads7

通信が開始され両者間のデータが正常にリンクされましたので、先ずは基本のAutodiagnosticを使い車両のパラメーターを読み取ってみましょう。左側のフレーム及び右側のパラメーター表示画面も基本的にはNAVIGATORを踏襲しています。しかしより詳細なパラメーター表示となり診断する際の判断材料が増えた事はメカニックにとってとても喜ばいい事です。

Pads8
次はエラー表示画面です。幸いこのドルソデューロでは過去、現在においてもエラーが出ていませんが、診断機の無い正規店以外でご購入された車両やオーナーが幾人も変わった中古車両ではこの表示画面いっぱいにエラーログが出る事があります(笑。 エラーと一言で言っても直ぐ様に車両に悪影響を与えない様な微細なエラーから車両に大きなダメージを与えてしまい兼ねない重大なエラーまで千差万別です。此のようにエラーの種類を目視出来る事で修理箇所の断定やこれから起こるであろう故障を未然に防ぐ事も可能になってきます。

因みにアプリリア製バイクにお乗りのオーナー様であれば一度や二度はメーター内にSERVICEURGENT SERVICEと言うワーニングが出た事が有るかと思います(あまり見たいワーニングでは有りませんが)。その際にこの画面を見ればエラーの元となったセンサー異常やエラーログが表示されると言う訳です。エラーの原因が判れば修理の後にエラーをデリートして終了です。ほらメーター内のSERVICE表示も消えました!(ちなみにエラーのデリートもPADSが無いと出来ません)Pads9

上の画面はアクティベーション画面となります。iPhone等をお使いの方なら聞いたことの有るアクティベーション、所謂実効化というヤツです。画面上では8個のメニューが有り各項目毎に実働検査をする事が可能です。例えばCoil1を選択し実際にCoil1のプラグをアーシングしながらアクティベーションを行います。問題が無ければプラグから火花が飛び、火が飛ばなければCoil1もしくは点火系に問題有りとなる訳です。アクティベーションの項目は車両ごとに違いますがハイテク満載のRSV4よりMP3等のスクーターの方が実は多かったりします。

Pads10_2

次はアジャストメント、各センサーの初期化を主に行う画面です。最新マッピングにECUを書き換えた際は此処の項目に有るSelf-Learnが必ず必須となります。また別の車両ではECUが今までの憶え込んだ車両のしきい値を一旦クリアーにする事も可能です。

Pads11

此方の画面はECUをデータを表示している所です。主な目的としては車両にインストールされているマップがどのバージョンかの確認に使えます。またRSV4等では純正フルエキゾーストに対応したレーシングマップをアプリリアに請求する際のECU番号も記されています。
余談ですがRSV4用レーシングマップは純正アクラポビッチ・フルエキゾーストのみに付属致します。付属と言ってもマフラーにROM等が同梱されている訳ではなく、フルエキゾーストの出荷番号と上記ECU番号をアプリリアに送る事によりレーシングマップへのアクセスキーが入手出来ると言う訳です。入手したアクセスキーを使いPADS上でECU番号アップデートを行う事で初めてレーシングマップに書き換えが可能となります。

Pads6

ECU Reprograming(マッピング・アップデート画面です)。画面上では現在リリースされているドルソデューロのマッピング一覧が見て取れます。Last Standard Mapping Updateと記されているA00134D5が現在の最新マップとなります。細かい説明は長くなるので以前のブログをご参考下さい。

此処でECUアップデートに関しては重要なお知らせが有ります。(2013年9月現在)

その1)
現行RSV4(Factory & R)ABSモデルの最新マップへのアップデート及び最新マップでのフルパワー化はPADSのみ対応となっています。実はNAVIGATORでも旧フルパワー・マップであればアップデートは可能なのですがNAVIGATORでアップデートを行うとABS機能が全てキャンセルされてしまいPADSが無いと復旧不可能となります。(NAVIGATORでは復旧不可能です)

その2)
現行VESPA LX125 3Vモデル&150 3Vモデルの最新ECUアップデートもPADSでのみ対応となります。一部LX 3Vモデルで起きています冷間時のエンジン始動困難に対する対策済みマッピングもPADSで無ければアップデート不可能となります。(NAVIGATORでは不可能です)

話を戻しましょう・・・。

最後にご紹介致します機能はPADS最大の特徴とも言えるTRAVEL MODEです。

TRAVEL MODEとはPADSを車両に積んだまま走行する事が出来るモードです。そうです最初に述べたPADSのコンパクトさが此処へ来て発揮されるのです。今までのNAVIGATORにはTRAVEL MODEは有りませんでしたが例え有ったとしてもあの巨体では荷室の大きなスクーター等でないと絶対に無理です。

PADSはコンパクトですので車両に積み込む事によって走行中のある一定条件でしか出ないエラーや長期走行で無いと解らない不具合をリアルタイムで計測しPADS内のメモリーに記録していきます。

TRAVEL MODEを使用する際は先ず、不具合に関連するであろうセンサーやパラメーターを予めPADSに読み込ませます。(下記画面) そしてデータを書き込んだPADSを車両へ取り付けます。この時もちろんPADS単独での接続となりPCは必要有りません。エンジン始動を自動で感知しPADSがオートでデータ計測&記録を開始します。そしてエンジンを切るとPADSはスリープモードで待機します。不具合及びエラーが出るまでこれを繰り返す訳です。

Pads5

幸か不幸かエラーまたは不具合が出たらPADSが記録したデータをPC上に呼び出します。

Pads4_2

最初に選択しPADSに読み込ませたパラメーターがグラフ化され時間軸にそって数値が変化して行きます。この時エラーを記録した箇所を参照すれば各センサー類がどの様な数値を記録しているかが一目瞭然なのです。センサーの数値を読み取りエラーが出た際に異常な数値を記録している箇所が不具合の直接的な原因または最も近い間接的原因である事が解かります。
TRAVEL MODEによって不具合箇所の断定をより正確に出来、再発頻度の少ないエラーを長期的に調べ上げる事も可能となってきます。

PADSを使っての車両診断及び修理が完了した際にはオーナー様へ此のような診断結果をプリントアウトしお渡し出来ます。

Ccf20130916_0000

書面上のデータ等はオーナ様には解り辛いところも有りますがPADSを使用した事により何を計測し、何を直し、何を行ったかが視覚的にお分かり頂けるかと思います。上記リポートは一番ベーシックな物でマップ更新やアクティベーション、TRAVEL MODEを使用した場合等はリポートも2枚3枚となる場合もあります。

如何でしたでしょうか、可成り駆け足でPADSの機能をご紹介させて頂きましたが、PADSの利点、必要性をご理解頂ければ幸いです。

現在、PADS設置は当店を初め全国のモト・イタリアーナ店、スクーター・イタリアーノ店、ピアジオ・グループ・ジャパン車両正規販売店のみとなります。(一部店舗は随時設置予定)
此れが何を意味するのかお解りかと思いますが念のためもう一度ご説明致します。

先代機のNAVIGATORはあくまで汎用機である為に正規販売店以外や並行輸入業者などでも入手は可能でした。但し、PADSはピアジオ専門の診断機で有りピアジオ・グループ・ジャパンの正規ディーラー以外は入手は出来ません。
要は正規ディーラー以外の販売店や並行輸入車をお買いになった場合、今後一切適切なアフターサービスや重要なマッピング・アップデートが受けられないと言う事なのです。

ピアジオ・グループの車両に限らず高度に電子化されたバイクやスクーターにとって適切な診断やマッピング更新が受けられない事がどれほどネガティブな要素か私共が説明する迄もなくお解り頂けるかと思います。

大幅に値引きされた正規店以外や並行輸入車は確かに魅力あるものでしょう。しかしその後に待ち構えているのは値引き以上に高価な代償となります。

適切なサービスが受けられない事が原因で折角お買い求め頂いたピアジオグループの車両を嫌いになってしまう事を誰も望んではおりません。カネバンではピアジオグループの車両に御満足頂ける様、PADSを使った保守点検修理を承っておりますので御希望の際はお気軽にご相談下さい。

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