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January 23, 2011

ピアジオ総合診断ツール(NAVIGATOR)のお話です。

当店で扱うピアジオグループ車両も含め、昨今はスクーター&バイクのハイテク化がどんどん進んでいます。特にピアジオグループは先進性に重きを置く傾向が強いメーカーで、MP3に始まりアプリリア車に採用される「ライド・バイ・ワイヤー」やRSV4のAPRC System等、いわばハイテクの塊が走っている状態とも言えるでしょう。

ハイテク化は利便性や安全性の追求、低燃費=エコロジーの観点から見ても必要で有り歓迎されるシステムです。但しブラックボックスと化したコントロールユニットは今までの経験や勘では太刀打ちできない領域になってしまっている事も事実です。

特に電装系は視覚的に解り辛く、我々メカニックでも四苦八苦する事も珍しく有りません。そんなブラックボックスと化したバイクを保守点検する為に必要不可欠な物が今回ご紹介するピアジオ総合診断ツール(通称NAVIGATOR)です。

Dscf3408

このNAVIGATORは昨年末に日本でも導入されたばかりの最新ダイアグノーシスツールです。今までの診断機では不十分だったりブランド毎に使い分けていた部分も改善され、NAVIGAOTR一つでピアジオグループ全車種をカバー出来てしまう優れモノです。

では何処が凄いのか、なぜ必要不可欠なのか順を追って御説明させて頂きます。特にこれからピアジオグループのスクーター&バイクのご購入を考えているお客様には是非ご覧頂きたく思いますので少々長いですが暫くお付き合いお願い致します。

 

Dscf3413_2

現在、ピアジオ製バイク&スクーターの診断に必要なツールは上記画像に映っている4種類の物が有ります。それでは簡単では有りますが左から順を追って御説明します。

1)最新のピアジオ診断ツールの通称NAVIGATOR。ピアジオグループに属するブランド(ピアジオ、アプリリア、ジレラ、モト・グッツィ、デルビ、ヴェスパ)全てに対応可能な診断機です。今までの診断機に比べPCを介して診断する為、高度な作業やより解りやすいインターフェースで車両の状況をを把握出来ます。もちろんECUのマッピングアップデートにも対応していますのでお客様の車両を常に最新の状態に保つ事も可能となっております。要約するとNAVIGATORが無いと車両診断する事はおろか最新マッピングへの変更も不可能と言う事になります。)←ここ凄く重要です!!


2)アプリリアに特化したツール、通称AXONEです。現在はNAVIGATORにその座を譲りましたが通常診断ではまだまだ重宝するツールです。しかしソフトのバージョンアップが昨年の早期の段階で終了した為、其れ以降にリリースされた車両や最新マッピングには対応していません。(現行アプリリア車両の最新マッピングアップデートはAXONEでは不可能です)←ここも重要です!!


3)ピアジオ全般車両(バイク除く)用の簡易診断ツール、通称は・・・特に有りませんAXONEは基本的にアプリリア車両のみの診断機ですが此方はアプリリアも含めたピアジオグループのスクーター全般に使用できます。但しNAVIGATORAXONE程高度なツールでは無く極々簡易的な診断のみとなりマッピングアップデートにも対応していません。今では特に深刻な問題が無い車両の定期点検時等で使う程度となっています。(MP3,FUOCO,GP800、Vespa等のマッピングアップデートもこの診断機では出来ません)←またまた重要!!


4)最後は以前にもこのブログでご紹介しましたアプリリアSR50(PureJet)専用診断機です。診断機と言っても筺体は懐かしいGAMEBOYで使用するカセットに必要なソフトが入っている形となります。所謂DITECH(PureJet)と呼ばれる2サイクルインジェクションシステムを採用する50ccスクーター専用なのですが、工場出荷時ではリミッターが掛けられている出力をフルパワー化する為のツールです。勿論、診断機能も付随していますからSR50を扱う以上は必要不可欠と言えるでしょう。(SR50(PureJet)のフルパワー化はNAVIGATORでも出来ません、コイツが絶対必要です)←重要!!


以上、簡単に4種類の診断ツールをご紹介しましたが4種類全てを用意しているディーラーはハッキリ言って少ないと思います。まぁカネバンはピアジオストアーを名乗っていますので全て揃っていて当たり前と言うか揃えていないとダメな訳ですが・・・・・・・。



それでは実際にNAVIGATORを起動させてみましょう。
NAVIGATORは単体では機能しませんのでPCモニターに映し出された情報を見て車両診断やアップデートをする仕組みになっています。車両とNAVIGATORは今まで通り有線で繋がりますが、NAVIGATORとPCはブルートゥース接続ですので邪魔な配線も無くスマートに作業可能です。カネバンではNAVIGAOTR専用のPCを用意し何時でも診断可能な状態を作っています。

Dscf3421

車両とNAVIGATORを繋ぎ、PC内のPGDS(ピアジオ・グループ・ダイアグノーシス・システム)を起動させます。

Ss1


PGDS
を起動すると上記の様なウインドウが開きますので左側フレームに有るカテゴリー、メーカー、モデル等を選択し進みます。画面を見て頂ければピアジオグループ全てのブランドに適応している事がお解り頂けるかと思います。

Ss5


PGDS
で出来る事は各センサーのパラメータ読み取り、エラーログ読み取り、エラー消去、センサー可動状況、ECU情報表示、パラメーター&各機器の補正など多岐に渡り、車種によってはO2&ミクスチャー調整も出来ます。パラメーター画面では数値だけでは無くグラフ表示も出来るので各センサーの作動状況もより解りやすくなっていますし、エラーログも細かく結果が出ますのでピンポイントでの故障診断を可能としています。

Ss2

次にNAVIGATORに接続した車両のECU情報を表示してみます。上から5番目にマッピングとあり0134D5と有りますが此れはその車両の現在のマッピング番号を表してます。ピアジオグループではディーラー向けサービスサイトが有り生産車両の最新マッピングや不具合、リコール情報等を随時アップしています。それでは極最近2011年1月15日に出たSHIVER&DORSODUROに関するアップデーターを見てみましょう。

Kw_4

SHIVERとDORSODURO其々に用意された最新ECUマッピングで内容としてはO2センサーマネージメント修正、冷間時始動性の向上、アイドリングの安定化となっています。上記アップデータは大掛かりな物では有りませんが始動性やアイドリングに問題が有る車両では必ず行いたい内容になっています。勿論、それ以外の部分でも最適化が図られていますので該当車種に御乗りの方で有ればアップデートをお勧めします。


蛇足ですが上記図で標準と書かれてる部分が日本仕様を含めたSTD仕様となります。23kw、35kwと言うのは免許制度の異なる仕向け地別の仕様で、標準マップより出力を抑えています。もし現在SHIVERやDORSODUROに御乗りでちょっとパワーが有りすぎて扱い切れないなぁとか、バイクに慣れるまでパワーを抑えたいなんて人には良いかもしれません(笑

Ss4

話を戻しましょう、NAVIGATORでマップ書き換えウインドウを見るとサービスサイトに有ったアップデータが表示されていますので、必要で有ればリプログラミング作業に移ります。今回NAVIGATORに接続した車両は既にアップデート済みですのでECU情報画面で0134D5となっていた訳です。


NAVIGATOR
で出来る事を駆け足で紹介致しましたが如何だったでしょうか。今回ご紹介した以外にもユーザーデータ管理や各種アナライザー等、必要な機能が詰まっています。

また、アプリリアのフラッグシップモデルで有るRSV4の各種マッピング変更もこのNAVIGATORでしか出来ません。通常国内モデルは78kwの最高出力に規制されていますがNAVIGATORを使う事でSTDマッピング(所謂フルパワー)にする事も可能ですし、NAVIGATORを使って純正パーツとして用意されているアクラポビッチフルエキゾースト専用のレーシングマップへ書き換え、RSV4の性能をサーキットで如何なく発揮して頂く事も出来るのです。


裏を返せば個人売買は言うに及ばず、NAVIGATORが設置されていない並行車両を扱うショップや正規ディーラーで無いショップ、中古車両販売業者ではお客様が大切なお金を出して買った車両であっても保守点検はおろか適切な修理が受けられない事を意味し、最悪の場合は重大な故障を引き起こす原因にすらなるのです。


適切なサービスが受けられない事が原因で折角お買い求め頂いたピアジオグループの車両を嫌いになってしまう事を誰も望んではいません。
相場より安価な個人売買や正規店以外でご購入される気持は解らなくも無いですが、その代償は決して安価で済まない事が多いのも事実です。

少し厳しい言い方になってしまいましたがご理解頂ければと思いますし、カネバンではピアジオグループの車両に御満足頂ける様、他店でご購入頂いた車両でもNAVIGATORを使った保守点検修理を承っておりますので御希望の際はお気軽にご相談下さい。

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